MITATE

西麻布にある、「水」をテーマにしたショップ。お店の名前の「MITATE」は、水廻りの今と未来を「見立てる」というところから。

風合いのよいタオル、細やかで、かつ、チャーミングなエジプト綿のマット、繊細なフロストグラスの歯ブラシ立て、美しい音色のベル・・・。

ショップには、水廻りを軸にしながら、つくり手の思いがつめこまれた珠玉の「みたてもの」たちが、ゆったりと並び、ふと日常の喧騒を忘れてしまいます。

もともとは、水栓金具さんから始まったそうです。

当時、日本では取り扱いの無かったドイツの高級水栓金具ブランド「ドンブラハ」の美しさに魅せられた社長が、その取り扱いの許可を得るために、単身、ドイツに渡り、いかに自分がドンブラハを日本で紹介したいか、その思いの丈を語ります。

そして、ドンブラハの社長は、1つだけ条件を出して、取り扱いを快諾してくれたのだそうです。

それは、お店をつくるときに、建築家かデザイナーを入れること。

デザインのことについて、当時、よく分からなかった社長は、帰りの空港で早速書店に寄り、一番端にあった「内田繁」さんの本を手にとります。

そして、そこで、ビビビッと来た彼は、またもや、自分が一体何をやりたいのか、という、その思いを、内田氏にぶつけに行くのです。

その思いに共鳴した内田氏は、即快諾。

そうやってできたのが、MITATEさんを含む、水をテーマにした複合施設「ル・べイン」だったのです。

思いと思いがつながって、創られた場所。

そこには、単なるビジネス上の損得勘定とは異なる、人の心を動かす何かがあります。

もともとのメインは、MITATEさんの地下にあるショールームなのですが、一番人目につく1階には、ショップのMITATEさんが配置されています。

正直、ドンブラハなどの水栓金具は高い。そんなにしょっちゅう買ったり、変えたりするものでもない。すぐには買えないかもしれないし、いつかは使えたら良いな、と思って、そのまま終わるものかもしれない。そして、お客様が、たとえ、お買い上げになったとしても、次にお会いできるのは、いつになるかわからない。高級水栓金具は、そういうものである。でも、お客様には、ぜひ、足しげく、この場所のいらしていただきたい・・・。

そういう思いがつまって、MITATEさんは生まれ、1階に位置しているのだそうです。

そして、そのショップの「みたて」の良さと、スタッフの方のつくりだす、どこかあたたかい雰囲気に、本当に、また、足を運ぼうと思ってしまう空間なのでした。

去年、敷地内のギャラリー ル・べインでnendoさんとコラボレーションして展示を行ったのがきっかけで、KENZOKIもMITATEさんに置いていただけることになりました。

MITATEさんのような素敵な空間にディスプレイされると、KENZOKIの魅力も引き立ち、自分たちのプロダクトは、こんなに美しくデザインされていたのか、と、改めて気づかされ、少し、誇りに思ったりします。

今日は、それでお店に行ったのにも関わらず、同じ敷地内のori HIGASHIYAさんのお湯のみを特別に色づけしたというものと、一輪挿し、そして、nuno worksの鯉のぼりを買ってしまいました。

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shop MITATE

gallery le bain

住所:東京都港区西麻布3-16-28

営業時間:11:00-19:00 定休日:月曜日

map

*六本木ヒルズグランドハイアットを左手にテレビ朝日通りを直進

2つめの信号を右手に曲がって5分ほど進んだ先、ギリシア大使館隣になります。

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の画像