TORAYA CAFE

表参道ヒルズ六本木ヒルズにある、「とらや」のカフェ。

六本木ヒルズができたときに、そこに入るショップが、色々なところで紹介されていたけれど、その中に「TORAYA CAFE」もあって、「あの『とらや』がカフェを出すんだ!」と新鮮な驚きがあったことを思い出します。

「とらや」というと、伝統と格があって、どこに持っていくにも「間違いの無い」昔ながらの正統派のイメージで、それと「カフェ」というのは、異色の組み合わせのように感じたのです。

そして、実際、カフェに足を運んで、そのメニューを味わってみると、それが安直に「新規事業」に打って出た、というのではなく、「とらや」の持つ哲学の延長線上にあるのだ、ということを感じます。

TORAYA CAFEさんにお話を伺ってみると、そのはじまりは、「とらやの『あん』を、もっと楽しんでもらいたい」という熱い想いだったことがわかります。

「とらや」の名前をつかって洋風のスイーツを出すお店、というのでは全くなく、その「あん」を始めとした、「とらや」が大切にしてきた和菓子の素材を、いかに、より多くの人に楽しんでいただくか、というところを原点に、あらゆる新しいアイデアによって、そのメニューは創られているのです。

TORAYA CAFEさん曰く、

「そうやって考えたときに、素材の色が似ていると、結構、味が合うっていうのが、わかったんですよ。」

なるほど!そういえば、「あん」と「チョコレート」は、どちらも茶色。

「白あん」は「ホワイトチョコレート」と合うし、「白味噌」とも合う。

「ピスタチオ」と「抹茶」も、そう。

素材を色でとらえて組み合わせる、というのは、お話を伺っていた私たちにとっても、おもしろい発見でした。

また、TORAYA CAFEには、お食事とデザートのセットもあるのですが、その量は、「デザート」をメインに考えられているのだそうです。TORAYA CAFEは、やはり、和菓子の素材を使った「デザート」を楽しんでいただきたい、というところに原点がある。だから、「デザート」は、ちょっと嬉しい「おまけ」なわけではなく、「主役」なのだ、と。だから、「デザートをきちんと楽しんでいただける」ことを意識して、お食事の量が決まっているのだそうです。そういえば、お食事だけいただいた直後は、ちょっと「おかわり」したくなる気分なのですが、なるほど、その「デザート」を私たちはフルに満喫し、そして、デザートをいただいた後、なんとも言えない絶妙の満足感で、お腹も気持ちも満たされていることに気づきます。

TORAYA CAFEさんの裏側は、思ったよりも少人数で、その方々が、真摯にTORAYA CAFEのことを考え、手作業で、ていねいに、メニューをつくりあげていることがわかりました。

そして、その誠実さは、やはり、味となって、私たちに届いてくるのだなあ、というのを実感します。

話は飛びますが、TORAYA CAFEのメニュー開発に携わっていらっしゃる長尾智子さんが、こんなことをおっしゃっていました。

「何でも、『なんとなく』は、大事なんですよ」

「なんとなく好き」。その「なんとなく」のところで、長尾さんは、色々なことを判断されるのだそうです。

「料理でも、見た目が『なんとなくおいしそう』『なんとなく美しい』というのは、すごく大事」

長尾さんは、「逆に、『なんとなく』違う気がするっていうときは、やめた方がいい。それは、きっと、絶対に違うのだから」と話します。

そういえば、TORAYA CAFEの皆さんは、その「なんとなく違う」を、ごまかさずに排除しながら、大切にお店づくりをしているように感じます。

--- TORAYA CAFE X KENZOKI カクテルパーティー ---

そんな想いを持っていらっしゃるTORAYA CAFEさんと、ご一緒できたら楽しいのではないか、というところから、TORAYA CAFE X KENZOKIで、「カクテルパーティー」を開催することになりました!

3月12日の夜、表参道ヒルズ店にて行ないます。(要予約)

詳しくは、こちらからどうぞ!

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