TOKYO BY KENZO(トーキョー バイ ケンゾー)

KENZO Parfumsの新しいメンズフレグランス。

新しいフレグランスのテーマが何になるか、というのは、KENZOスタッフの中でも話題になります。

KENZOのフレグランスは、花、葉、夏、竹、海、水、風・・・といった風に、必ず「自然」というものがテーマとリンクしており、前回のフレグランスで「旅」がテーマに来た時は、KENZOスタッフも、思わず、うなりました。

そした、また、度肝を抜かれた、今回のテーマは、なんと「東京」。

クリエイティブ・ディレクターのパトリックが、自身も強い衝撃を得たこの都市を、細かに描き出したかったのだ、と言います。

未来的な高層ビル群が建ち並び、若者達の活気に溢れる東京は、フォトグラファーでもある彼の目には、とても「フォトジェニック」に映るようです。

そして、私達にとって意外だったのは、彼の描き出す「東京」の中には、そこに息づく「木」の存在が厳然として有り、そのことが、「自然」からインスピレーションを得るKENZOのフレグランスに「東京」というテーマが据えられる大きな要素となっていることでした。

そんな東京という街を、彼は「a crazy poetic city」と表現します。

今回のプロジェクトで、さらに面白かったのは、そのパトリックが表現する「東京」のボトル・パッケージデザインを、東京人である佐藤可士和さんに依頼したことです。

佐藤可士和さんとパトリックは、古い友人関係にあって、兼ねてから、いつか一緒に仕事をしたい、と考えていたようでした。

フィーリングの奥深いところから共鳴しているのか、彼ら二人によるクリエイションのプロセスは、パトリックが英語、可士和さんが日本語を話していながら、言語を超えた感覚同士の会話とも言うようなコミュニケーションで行われ、それは、とても楽しそうでした。

パトリックは、「外国人トラベラーが見たTOKYOのインスピレーションを、正真正銘の東京人がデザインするというユニークなプロジェクトを、完璧にやってのけてくれ、完全に新しいものを生み出してくれた。」と話します。

かつて高田賢三さんが、まだ、日本という国自体が一般人にはほとんど認知されていない70年代のフランスに単身で渡り、当時のファッション界にガツンと衝撃を与えた快挙は、日本人の誇りでもありました。

それから30年余りの月日が流れ、「高田賢三さんをリスペクトするフランスブランド」という、まさに、日本うまれフランス育ちのブランドとしての道を歩んできたKENZOが、今度は、クリエイターのアンテナを刺激する存在として「東京」をテーマに選び、日本人デザイナーと一緒にプロダクトを創った、ということに、深い感慨を覚えます。(奥)

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