ウダイプール

パトリック・グエージが、1年のアジアの旅の記憶からインスピレーションを受け、創り上げたKENZOAMOUR。その旅先の中でも、多くの印象を受けたという

ウダイプールという街。

この古くも美しい街は、インドの北部の砂漠地帯の中にある。その昔、水を備蓄するために川を塞いで作ったという、2つの人造湖を中心として栄えている。その湖上には、マハラジャ離宮で有名なレーク・パレス・ホテルが、静かに浮かんでいる。

今では、その景色そのものが、リゾート地としての観光の中心ではあるが、それよりも彼の感性を惹きつけたものは、街の中に溢れる生活の香り、色、そして活気だったのではないだろうか。

街の中心は、車、バイク、自転車、人、そして牛や羊までが行き交い、路地のそこここには、屋台が繰り出され、スパイスや野菜、雑貨が広げられている。雑然とし、蒸し返すような空気。

それでも、その中にこそ、記憶を刺激する色彩や、香り、人々の表情があるのだ。それは、行ったことがない異国なのに、どこか見覚えのある優しく、遠い記憶のような風景でもある。

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