19世紀後半、イギリスの香料研究家として有名なS.ピースという化学者は、「音」と「香り」を結びつける試みをしました。
7オクターブ46種類の天然香料を音階のように並べて、
それを「香階」と名づけました。
音には高音と低音があります。
高音域には、揮発性の高い香料を。
低音域には、香りが持続しやすい香料をあてているそうです。
そして、和音のように、いろいろ組み合わせてもバランスのよい香りになるようにもなっています。
例えば、ハ長調でよく使う和音「ドミソ」。
ト音記号の「ド」は、ローズ。「ミ」は、アカシア。「ソ」は、オレンジフラワー。
これらの香りも、うまく香調されると調和の取れた香りになるように当てはめられているそうです。
また、2オクターブ差があるとしても、その香階同士は調和が取れるそう。
ト音記号の「ド」、ローズと、1オクターブ高い「ド」、檸檬。さらに上の「ド」、ジャスミンは、
どんな割合でも調和が取れるということです。
私たちが日々過ごす中で、音楽はとても自然で、身近な存在です。
同じように、香りもまた、とても身近な存在です。
その2つが結びついたとき、流れるメロディーと、そこに漂う香りのハーモニーを
想像すると、とても楽しい気分になりますね。
元素周期表のように、科学的根拠があるわけではありませんが、
とてもユニークで、興味深い、素敵なお話だと思いませんか?